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HIVは忘れず薬の服用しないと治療の選択肢が狭まる

2019年12月08日

HIVの治療は、抗HIV薬を使用した内服(飲み薬)が基本になります。これにはいくつかの種類が存在し、それらを複数飲み合わせる必要がある場合も多いです。すると服用が面倒になったり、服用すること自体を忘れてしまう方も出てきます。

しかし、HIVの薬は忘れずに飲み続けることで確かな効果を得られます。また、飲み忘れることで治療の選択肢が狭まることもあり得ます。内服10回中1回・2回忘れるだけでも、患者の2人に1人は治療に失敗するとも言われています。

ではなぜ少し飲み忘れるだけでも治療が失敗したり選択肢の幅が狭くなる可能性があるのかと言えば、その理由はウイルスが持つ耐性獲得にあります。ウイルスは生きている上に一種の学習能力があるため、服用を続けていないと薬にウイルスが慣れてしまいます。つまり、抗体(敵成分への耐性)ができてしまうのです。

ウイルスに抗HIV薬の抗体が作られてしまうと、使える薬の種類がかなり少なくなります。大方ウイルスに効果のある成分は決まっており、治療には2種類以上の薬を使用することが基本であるため、2種類以上の抗HIV薬の抗体がウイルスにできてしまうと治療の選択肢が狭まってしまいます。1日1回でも忘れるだけでも、そのリスクは高まります。

何年・何十年服用し続けていても、1日1回服用を忘れるだけでそれまでの治療が無駄にもなり得ます。費用がかかることであり、もちろん命にもかかわることです。そのため、HIV治療に飲み忘れは厳禁とも言えます。治療を始めたら特殊な場合を除き服用し続けること、これは最も大事なことです。

HIV感染者でもエイズ発症者でも、それは同じことです。HIV感染者ならエイズ発症を抑制でき、エイズ発症者ならHIVウイルスの増殖抑制になります。また、適切に服用されていれば他者への感染予防にも繋がります。しかし完璧な予防という保証はありませんので、ちゃんと対策はしてください。

適切な服用を継続するために大事なことは、アドヒアランスだと言われています。アドヒアランスとは患者が積極的に治療方針に参加して、自らの意思で指示された治療に従った実行を行い続ける姿勢のことです。服用は患者自身の動作になるため、患者が治療に積極的かつ真面目であることが適切な治療に必要不可欠なものになります。

副作用は起きることもありますが、そのほとんどは患者自身に抗体ができる1ヶ月・2ヶ月ほどで軽減されます。しかし、人により重篤な副作用を起こす場合もあります。副作用が疑われた時は、医師や薬剤師に相談してください。

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